「スキージャンプ女子ってラージヒルがないの?」
「スキージャンプ女子にラージヒルがない理由はなぜ?」
北京オリンピックのスキージャンプで初めて採用された種目『混合団体』が行われ、日本は惜しくも4位という成績に終わりました。
男子はまだ『ラージヒル』や『男子団体』とオリンピックでの挑戦は続きますが、女子は『ノーマルヒル』と『混合団体』のみで大会を終えています。
なぜ女子にはラージヒルがないの?危ないから?もっとみたい!と感じた方も多くいるのではないでしょうか。
ノーマルヒルに比べてラージヒルは助走の距離が長い分、飛距離も伸びて迫力のある種目ですので、男子だけでなく女子のラージヒルもみてみたいですよね。
そこで今回はスキージャンプ女子にラージヒルがない理由について調査していきます。
スキージャンプ女子にラージヒルはないの?
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そもそもスキージャンプ女子にはラージヒルという種目自体がないのでしょうか?
調べてみると決してそんなことはありません。
オリンピックには種目として採用されていませんが、他の国際大会では普通にスキージャンプ女子のラージヒルは行われています。
危ないからという理由ではなかったんですね(笑)
ワールドカップでもたびたび開催されていて、日本のエースである高梨沙羅選手は2015-2016シーズンのオスロ大会のラージヒルで優勝しています。
ただ世界選手権で初めてスキージャンプ女子のラージヒルが採用されたのは2020-2021シーズンでした。
ちなみにこの時高梨沙羅選手は銀メダルを獲得しています。
国内の大会では、2021-2022シーズンの全日本選手権で初めてスキージャンプ女子のラージヒルが採用になっています。
高梨沙羅選手が初代女王に輝きました。
このようにオリンピック以外の大会ではスキージャンプ女子のラージヒルは種目としてあるんですね。
スキージャンプ女子にラージヒルがない理由は?
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ではなぜオリンピックではスキージャンプ女子のラージヒルがないんでしょうか。
理由としてはまだ歴史が浅く競技人口が少ないからということです。
そもそもオリンピックに採用される種目には基準があるようです。
- 最低2回は世界大会・大陸選手権で実施されていること
- 種目の実施許可は4年前まで
- 男性は最低50か国3大陸・女性は最低35か国3大陸で実施されていること
- しっかりと国際的に認知された種目であること
スキージャンプ自体の歴史はかなり古く、オリンピックには1924年のシャモニーモンブラン大会からすでに競技として採用されています。
ただずっと男子のみで女子のスキージャンプ参加はありませんでした。
スキージャンプ女子の歴史を辿ると、国際大会が始まったのは1999年ということです。
この時はもちろんノーマルヒルのみでした。
今現在2022年ですので20年ちょっとしか歴史がないということでかなり最近ですよね。
他の大会もスキージャンプ女子の競技が追加されたのはごく最近であることがわかりました。
世界選手権では2009年リベレツ大会からスキージャンプ女子ノーマルヒル個人戦がスタートしています。
ワールドカップは2011年から女子の部が追加されました。
オリンピックに初めてスキージャンプ女子のノーマルヒルが採用されたのはなんと2014年ソチオリンピックからなんです。
それだけ男子に比べて競技人口が少ないということですね。
2010年のバンクーバーオリンピックでもスキージャンプ女子の採用を求める声はあったようですが、当時のIOC(国際オリンピック委員会)は採用を見送っています。
理由として定期的に国際大会に参加する女子選手が世界に約80人しかいないということで「他の種目では数十万人から数千万人の選手人口があり非常に高いレベルで競われている。メダルの価値を下げたくない」と述べました。
これからスキージャンプ女子の競技人口が世界中でどんどん増えることで、いつかオリンピックにもスキージャンプ女子に『ラージヒル』や『女子団体』と種目が増えていく可能性はありますよね。
日本人の願いとしては、ずっと女子のスキージャンプ界を牽引してきた高梨沙羅選手にオリンピックという舞台でラージヒルを飛んで欲しいというのがありますが叶う日が来るのでしょうか。
まとめ
今回はスキージャンプ女子にラージヒルがない理由についてお伝えしてきました。
厳密にはスキージャンプ女子にラージヒルはありますが、オリンピックには採用されていないということでした。
理由はまだ歴史が浅く、競技人口が世界的にみると少ないということです。
より高いレベルでメダル争いをするにはやはり、その種目全体の競技人口というものが必要になってくることがわかりました。
これからスキージャンプをする女子が増えていくことで、いつかオリンピックに女子ラージヒルが加わることでしょう。
その時高梨沙羅選手が現役かどうかはわかりませんが、迫力あるラージヒルで女子が飛べる日がくることを願います。